選択に迷う心を軽くする 5分で試せる次のステップ特定法
私たちは日々の生活の中で、大小さまざまな選択をしています。特に将来のことや人間関係など、先の見えない状況で複数の選択肢を前にすると、心がざわついたり、どうしたら良いか分からなくなったりすることがあります。迷っている時間が長くなると、心は消耗し、不安や疲労感が増してしまうかもしれません。
完璧な答えを探そうとして立ち止まってしまう時も、ほんの少しの工夫で、心を軽くし、状況を前に進めるきっかけを作ることができます。ここでは、迷いや決断疲れを感じた時に、5分程度でできる具体的なステップをご紹介します。
迷いを整理し、次の一歩を見つける 5分ステップ
この方法は、迷っている「全体」を一気に解決しようとするのではなく、「今、最も小さく、実行可能な次の一歩」に焦点を当てるものです。
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迷いをシンプルに書き出す(約1分) まず、何に迷っているのかを、できるだけ短い言葉で書き出してみましょう。例えば、「A大学に進学するか、B専門学校に進むか迷っている」「友人に正直な気持ちを伝えるべきか、黙っておくべきか迷っている」のように、具体的に状況を言語化します。頭の中で考えるだけでも構いませんが、書き出すことで少し客観的に見やすくなります。複雑に考えず、核となる迷いのポイントを一つか二つ特定するだけで十分です。
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「最も簡単な次の一歩」を考える(約2分) 特定した迷いを解消するために、「今から5分以内、あるいはごく短時間で実行できる、最も簡単な次の行動」は何でしょうか。最終的な決定や大きな行動ではなく、あくまで「次の一歩」です。
- 例:「A大学とB専門学校、それぞれのパンフレットのごく一部だけをざっと見比べる」
- 例:「友人に伝える場合と伝えない場合、それぞれの状況を想像して感じたことを短い単語でメモする」
- 例:「迷っていることについて、信頼できる誰かに『少し相談に乗ってくれない?』とメッセージを送る文章を考える(送るのは後でも良い)」
- 例:「迷いに関する情報検索のキーワードを一つだけ決める」 大切なのは、それが「今、この場で」あるいは「すぐに」実行できる、非常に小さなステップであることです。
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その一歩を実行する(約2分) 考えた「最も簡単な次の一歩」を、すぐに実行してみましょう。パンフレットを1分だけ読む、メモを書き出す、メッセージの下書きをするなど、特定した行動を5分以内で行います。もし、考えた一歩が5分では難しければ、さらに小さなステップに分割できないか考えてみます。例えば、「パンフレットをざっと見比べる」が難しければ、「パンフレットを本棚から取り出す」だけでも構いません。
この方法のメリット
この方法の利点は、迷いの全体像や最終的な決定に圧倒されることなく、小さな行動に焦点を当てることで、停滞感を打破できる点にあります。完璧な答えを探し続ける消耗から一時的に離れ、「まずはこれだけやってみよう」と行動に移すことで、思考のループから抜け出しやすくなります。また、小さな一歩でも実行することで、「前に進んでいる」という感覚を得られ、心が少し軽くなることがあります。
実践のポイント
- 完璧を目指さない: 見つけるべきは「完璧な解決策」ではなく、「次に実行できる最も簡単な一歩」です。
- 時間は5分と区切る: 5分で終わらなくても構いませんが、「5分だけ考えて、5分だけやってみる」という意識が集中を助け、区切りをつけるのに役立ちます。
- 結果よりプロセス: この5分間で迷いが完全に解決しなくても問題ありません。小さな一歩を踏み出したこと自体が、心にとってプラスになります。
迷いは誰にでも起こります。どうしたら良いか分からず立ち止まってしまった時は、この「次の一歩特定法」を試してみてはいかがでしょうか。小さな行動が、心の状態を少しずつ変えていくきっかけになるかもしれません。