ぐるぐる思考をストップ 5分でできる書き出し術
心の中の「ぐるぐる思考」とは
私たちは時に、特定の心配事や不安について考えが堂々巡りし、頭から離れなくなることがあります。これを「ぐるぐる思考」や「反芻思考」と呼ぶことがあります。一度考え始めると、過去の出来事と結びつけたり、未来の起こるか分からない出来事について悪い方へ想像を膨らませたりしてしまい、ますます心が重くなってしまう状態です。
この「ぐるぐる思考」は、問題解決につながる生産的な考えとは異なり、同じ場所を回り続けてしまうため、心身の疲労につながりやすい傾向があります。特に漠然とした将来への不安や、人間関係の複雑な悩みなどを抱えている場合に起こりやすいかもしれません。
5分で試せる「思考の書き出し」
心の中でぐるぐる考え続けてしまう時、その思考を頭の中に留めておくのではなく、外に出してみるという方法があります。手軽にできる方法の一つが、「書き出し」です。特別なノートやペンは必要ありません。手近にある紙とペン、あるいはスマートフォンのメモ機能などでも構いません。
この「書き出し」を5分間の短い時間で行うことで、心の状態に変化をもたらすことが期待できます。
書き出しの手順(目安5分)
- 準備をする: 紙(ノートでもチラシの裏でも)とペン、またはメモ機能が使えるものを用意します。可能であれば、5分間のタイマーをセットします。
- 頭の中にあることを書き出す: タイマーを開始し、今、頭の中でぐるぐる考えていること、感じていること、心配なことなど、浮かんでくる思考をそのまま書き出していきます。
- 止めずに書き続ける: 文法や綺麗な文章、誤字脱字などは一切気にしません。ただ、頭に浮かぶ言葉やイメージを、思考の流れに合わせて書き出し続けます。書くことが止まってしまっても、何も浮かばない、と書いたり、同じ言葉を繰り返したりして、ペンを動かし続けます。
- 5分で終える: タイマーが鳴ったら、そこで書くのを終わりにします。書ききれていなくても構いません。
書き出しの効果とポイント
たった5分でも思考を書き出すことには、いくつかの効果が期待できます。
- 思考の客観視: 頭の中でぐるぐる考えているだけでは、感情と一体化してしまいがちです。書き出すことで、自分の思考や感情を少し距離を置いて見つめ直すことができます。
- 思考の整理: 書き出された言葉は、頭の中にある時よりも整理されて見えることがあります。何について悩んでいるのか、何が不安なのかが少しクリアになることもあります。
- 一時的な解放: 心の中に溜まっていた思考や感情を外に出すことで、一時的に心が軽くなるのを感じられる場合があります。
- 脳の疲労軽減: 思考の堂々巡りは脳に大きな負担をかけます。書き出すという行動に移すことで、脳が同じ思考パターンから抜け出すきっかけになることがあります。
この方法を実践する上でのポイントは、「判断しないこと」「完璧を目指さないこと」です。これは誰かに見せるための文章ではありません。ただ、頭の中にあるものを素直に書き出す練習です。書いたものを後から読み返す必要もありませんし、書き終わったらすぐに破ってしまっても構いません。手軽さを活かし、心が重くなった時にサッと試してみることが大切です。
日常に取り入れてみる
「ぐるぐる思考」に気づいた時、まずは「5分だけ書き出してみよう」と試してみてはいかがでしょうか。場所を選ばず、特別な準備も必要ありません。短い時間でも、思考を外に出すというシンプルな行動が、心の状態に良い変化をもたらすきっかけになるかもしれません。ぜひ、あなたのスキマ時間に取り入れてみてください。